お知らせ

News

研究

米国の化粧品技術者会においてヘアケア部門最優秀論文賞を受賞

掲載誌: Journal of Cosmetic Science, Volume 75, No.2, 2024.
論文タイトル: The Effects of Permanent Waving Treatment on Bleached Hair and the Factors of Damage
著者: 山内 力/大熊 康範/富樫 孝幸/田中 二郎
受賞名:JOSEPH P. CIAUDELLI AWARD(ヘアケア最優秀論文賞)(SCC, 2025年12月16–17日)

○ ブリーチ毛になぜパーマがかかりにくくなるのかを解明
ブリーチにより毛髪内部のタンパク質が部分的に切断され、アミノ酸残基が増加します。これが過酸化水素の分解を促進し、活性酸素(ROS)を生み出します。ROSはジスルフィド結合を壊してシステイン酸を増やし、架橋が再生できない状態となるため、パーマがかかりにくくなることを示しました。

○ 3つの還元剤を同条件で比較し、適性を序列化
システアミン(CA)>システイン(CYS)>チオグリコール酸(TG) の順で、ブリーチ毛に対するウェーブ形成性とダメージ抑制(システイン酸生成抑制)が良好であることを明確化しました。また、ハイダメージ毛でもCAはウェーブ形成が可能でした。

○ ダメージ進行のモデルを提示
「ブリーチ処理 → アミノ酸残基増加 → H₂O₂分解・ROS生成 → ジスルフィド酸化 → システイン酸蓄積 → 高親水化・架橋再生不能 → ウェーブ形成性低下」という因果連鎖をモデル化し、評価データ(FT-IRのシステイン酸強度、保水率、SEM観察、ウェーブ効率等)で裏づけました。

本研究により、毛髪のブリーチ処理によるダメージの過程をより明確にしました。これらの知見をもとに、ダメージ抑制やダメージ補修に関する新たな技術の開発につながることが期待されます。

SCC(Society of Cosmetic Chemists)
1945 年設立の米国化粧品技術者会。国際化粧品技術者連盟(IFSCC)に所属。

Journal of Cosmetic Science 誌
SCCが1947 年から発行している、化粧品科学に関する学術誌。