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COLUMN

2018AWは世界が“シエナ”色に注目!

新色「シエナ」は実は2018年秋冬シーズン、世界的なカラートレンドとしてもとても話題になっている色み。世界最大のマーケティング情報企業WGSNの浅沼小優さんに、なぜこの秋冬にシエナ色が注目されているのか、その理由をお聞きしました。

知的さと遊び心を兼ね備えたウォーム系カラーに注目

「WGSNではカラー&トレンド予測は2年以上先の予想まで完備しており、そのとき世界で起こっている社会的な動き、政治動向、ストリートカルチャー、音楽、映画など様々な事象を読み解き、調査&マーケティングを行うことで予測を打ち立て、トレンド情報を提供しています。2018年AWは4つほどトレンドテーマがありますが、すべてウォーム系の色に結びつきます。特にピックアップしたいのが、“the・thinker(=考える人)”というテーマ。ちょうどこのトレンドテーマの予測を行っていた2016年の年末頃は、アメリカ大統領選やヨーロッパの移民問題等、世界的にも大きな変化が起こりうるタイミングで、人々の心のなかには“この先どうなるのだろうか”と、一度立ち止まって深く思考する感覚があったように思います。“美しさってなんだろう”“本当のことってなんだろう”と、今起こっている事柄への妥当性・正当性を考える思慮深さも持ち合わせる知的さ。こういった背景で生まれたデザインテーマのひとつがこの“thinker”でした。“thinker”のトレンドをヘアカラーの領域に落とし込んだとき、下のカラーパレットの“KHAKI/TAN”という色みになるのですが、「シエナ」にとても近しく感じます。艶やかさと深みを感じる色合いながらも、少しだけ未完成な部分もある。秋らしい真面目で落ち着いた部分はありつつも、いい意味での批判的精神・反骨精神を兼ね備えたカラーです」

秋冬のアカデミックコーデにもシエナの色みが品よくマッチ

「話をファッションにまで伸ばすと、“thinker”はアカデミックなムードを携えたトレンドになります。そのため、きちっとしたイメージを与えるチェックパターンにも注目。日本では数年前から出てきていますが、グローバルレベルではここ最近フォーカスされてきていて、この秋冬さらに市場に増えてきそうですね。同様に、知的で落ち着いたイメージのツイードやテーラード系のものも多くなりそうです。また“ギークシック”なんていうちょっぴりオタクっぽいファッションにまで落とし込んでも面白いですね。こういった知的さの中にもどこか遊び心を感じさせるファッショントレンドは、『シエナ』の色みにもとてもマッチすると思います」


 

WGSN ディレクター
浅沼小優さん
積水ハウス勤務後、渡米。インテリア業界にてVMDとバイイングに従事。帰国後LVMHグループ、ロエベ、伊シューズブランドなどにてMD、マーケティングを担当。2010年より現職、各企業にてクリエイティブ・マクロ・トレンドの解説を行う。

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